マークルック タイ将棋
概説
タイ将棋は『マーク・ルック』と呼ばれる。
西洋のチェスと同じく古代インド将棋の流れを汲み、8×8=64目の盤上で争う。
駒は6種32枚を用いる。駒の働きもチェスとよく似ているが、駒の形は東南アジア独特の仏塔を模したものが主体で、馬の駒以外にチェスの駒との形の類似性はない。
自軍と敵軍の識別は駒の色の違い(黒と白が多い)でする。したがって、駒は取り捨てで、取られた駒は二度と使えない。
盤の大きさに規定はないが、およそ縦60センチ、横30センチ、厚さ4センチ程度のチーク材の板が普通使われる。
この細長い板の中央に1辺約4センチの桝目が彫られ、両端には取った駒を置く浅い皿状のくぼみが彫られている。
最近では西洋のチェスの影響からか桝目を市松模様に塗り分けたものも多い。
開始にあたってはビヤ(歩兵)の駒をひとつ振り、裏か表かを言い当てて先手を決める。
タイ将棋の歴史
将棋あるいはチェスの発祥については従来、ギリシャ起源説、エジプ卜起源
説など様々な説が唱えられてきた。
しかし、近年の研究によれば、数ある盤上遊戯のうち、サイコロを使用した四人制のさいころ将棋「チャトランガ」という戦争ゲームを考え出した民族がBC200年〜BC300年のインド人であり、このチャトランガがアラビア商人によって西流してチェスに、東流して中国将棋や日本将棋に姿を変え、世界各国に広まったというのが、結論のようである。
このチャトランガがいつ誰によってタイに持ち込まれたのかについての確証は得られないが、13世紀のスコータイ時代の遺物の中に、現在のものとほとんど変わらない駒が発見されているので、その頃までにはすでに浸透していたであろうと推測できる。
また、タイほどさかんではないが、ビルマやカンボジアにもほぼ同様の将棋が伝播している。
日本の将棋と西洋のチェス、両者をそのまま比べてみても、そこにはあまり共通性は見い出せない。
しかし、その間にタイ将棋をはさんで比べてみると、3者はきれいにつながってしまう。
その妙を味わっていただければと思う。
参考:<各国の将棋の比較対照表>
駒の種類と動き
| 1.クン (君=王) ×1体 |
形は寺の仏塔を模しており、一番大きく背の高い駒がクンである。 |
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| 2.メット (核) ×1体 |
一番小さく背の低い仏塔で表わされており、貴族、あるいは将・参謀を意味する。 |
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| 3.コーン (根) ×2体 |
象、あるいは象に乗った将を意味する。 |
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| 4.マー (馬) ×2体 |
騎兵を意味する。 |
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| 5.ルア (舟) ×2体 |
古代インド将棋の戦車にあたるが、広く東南アジア地域ではこの駒は舟に変わっている。 |
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| 6.ビヤ (貝) ×8体 |
歩兵であるが、古代には貝殻を駒として用いたのでこう呼ばれる。 |
(図1)
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勝敗の決定
あと一手で詰められる(クンを食える)状態になった時には、必ず「ルック
・クン(王手)」と宣言しなければならない。
黙ったまま相手のクンを食うことはできない。
クンの逃げ道がなくなれば、「ジョン(詰み)」であり、そこで勝負は決定する。
ただし、次のことに注意しなければならない。
まだ王手のかかっていないクンが、次の一手を動かすとどうしても食われてしまう状態で、その他に動かせる駒がひとつもない場合は、引き分けとなる。攻め手の勝ちとはならないので、注意が必要である。
また、たとえ詰んでいなくても、片方が負けを認めればそこで1局は終了するし、双方の同意によっても勝敗を決めることができる。
最終的に詰めることが難しいマークルックでは、このルールは重要である。
リンク
バンコク将棋の部屋